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3-16.棟梁が泣いてる(日本文化の崩壊)



(2002.02.17)

まず、「泣いている」と言うと「お気の毒に、」とか思われる方が
とっても多いので、お断りしておきますが「お気の毒」なのは私達
自身なのです。

住宅は日本の文化や経済に大きな影響とウェイトを占めています。
日本経済を復興できるのは内需では住宅だけと言う識者もいます。
たかが住宅と思われずに、日本の命運が懸かっていると思ってぜひ
ご一緒に考えていただけませんか?

まず断言します。

大工さんが建てる「在来工法」以外の全ての建築物は日本を駄目に
しています。

そもそも「日本の大学に在来工法を教える学科が無い」というのは
あまりに哀しい現実です。
日本人は、大切な何かを忘れてしまったとしか思えません。

「本格的木造建築」「木の温もり」などいろいろCMはありますが
在来工法以外全て、ぼくは反対です。

それから、全てのコンクリート建造物もダメです。
3-5.日本が廃墟になる日、でも述べました。

「職人さん」と言って最近の子供にどんな人か分かるでしょうか?
どんな職業なのか?、貴方は将来「職人さん」になりたいの?
通じないんじゃないかと心配です。

なぜ大工さんの「在来工法」以外ダメなのか、どんなに大工さんの
ように建てようとしても、大工さん以外建てられないからです。

建築・建材メーカがどんなに工夫しても、それは住む人のためでは
ありません。
日本文明そのものが、人間不在になってしまったのでしょうね。

ぼくの家は「在来工法」です。近くには素敵なプレハブ住宅が沢山
あります、ほとんどの方々は僕の家よりプレハブの家に住みたいと
思っていることでしょう。

それが事実に新しく建つ家で「在来工法」は「皆無」と言えるほど
ありません。

いつから日本人は心を失ったのでしょう?
「見かけ」と「本質」と、どちらが大切でしょう?

きっと、そういうふうに考えていないのしょうね。
テレビであんなにCMしてるし、展示場もたくさんあって、誰もが
プレハブ住宅を建てているんだから、品質だって、住み心地だって
とても良く考えられて、設計されているんだわ♪、そう思っている
のだと思います。

それは勘違いです。

企業は利益のためなら、人命や環境なんて、どーでもいいのです。
今までの公害やいろんな環境問題、訴訟になったものや、未だでも
確実に地球を汚染している事実を見つめてください。

ここではポイントを絞り「住宅」について考えてみたいと思います

最近、豪邸拝見、なんて番組が多いですね。
外見は立派ですが、本当に立派なのは少ないです。
「在来工法」であるか、どうかです。

「在来工法」と言う日本古来の建築様式は、歴史的には飛鳥時代に
既に確立されたものです。
今でも、お寺や神社はその面影を残しているものが多ので分かって
いただけるでしょうか?

最近はお寺や神社までコンクリートで建てられたり、悲しい事です

「3-5.日本が廃墟になる日」との重複を避けるため、職人さんに
ポイントを絞ります。

「職人さん」というと、料理?、お菓子?、お寿司?、美容師?

あーあ、一番肝心なものが抜けてるでしょう。
衣食住と言いますが、食は毎日のことなので、経費的に考えると
人間の一生というスケールで考えると大きいとは思いますが、日常的に
見れば、家計消費支出に占める大きなものは、マイホームでしょう

それを、よく考えていただきたいと思います。貴方自身のために。

職人さんに付いて、整理しておきましょう。
家造りはチームワークの必要な仕事です。
棟梁・現場監督を中心に大工や電気・水道など様々な業者が家造りに
関わっているからです。
棟梁・現場監督と実際現場で働く大工が意思の疎通をはかるためには、
普段から一緒に仕事をしていることが大事です。
大工一人一人が責任を持つからこそ、関連業者の仕事もスムーズに
行われ、責任のあるものになります。

リーダーは「棟梁」です。
若い人はほとんどいなくなりました。絶滅種として環境保護団体に
登録が必要だと思います。
棟梁は、たいてい学歴はありません。日本文化の誤りは学歴偏重です
しかも能力の無い学歴が益々日本をダメにしていっていることは別の
ページに書いたばかりです。

技術と技能とに言い分けされていますが、日本ではホワイトカラーと
ブルーカラーというと差別的に聞こえますが、実際に差別されてます

ですから、なおさら技能の大切さがないがしろに、されているのです
技術は大学で学べば身につきますが、技能は学歴に関係なく数十年の
歳月と弛まぬ努力が伴って、はじめて実を結びます。それが棟梁です

どんな学歴でも、棟梁に勝る人は少ないでしょう。

日本が正しい道を歩んでいたなら、棟梁をはじめ職人さん達は正当な
評価と収入と仕事を得ていたでしょう。

それをダメにしたのは、大企業です。
大企業は、大資本です。
大資本は、個人ではなく、財閥などの集団です。
日本をずっと支配している階層です。

日本の民主化は、権力を庶民が手にすることから始まりますが、その
ひとつには 在来工法 = わが国が世界に誇るべき木造軸組み工法 の
素晴らしさを発見していただき、お金の流れを大企業に吸上げられず
庶民のあいだで流通するという特長もあるのです。

ちょっとお話しがそれますが信用組合や信用金庫など庶民や中小企業
相手の金融機関を、政府は見捨てて、大銀行、庶民とかけ離れた銀行
だけを救済していることは周知の事実ですが、それは日本経済回復に
とって、逆効果になっているのです。

政府は、口では民間活力とか民需の活性化などと言いながら、実際は
そのための施策は何も無いからです。

ですから、私たちは、金融・お金の流れが庶民の手から離れない様な
使い方をしなければ、なりません。

同じ街に住む棟梁が家を建てれば、その街が活性化するのです。

これは、民間活力の活性化のために言っているのではありません。
「我が国が世界に誇る木造軸組み工法」の良さを知り、活用する事で
副産物として、もたらされるものです。

もしかしたら、本当に正しいもの、真実を行えば、不況や不幸などは
起こらないのではないかとも、思えるほどです。
すべては、悪代官ではないですが、誰かがどこかで搾取しているから
富が公平に分配されずに、不況や不幸が訪れるのだと思います。

さて棟梁が纏めるメンバーですが、実にたくさんの職種があります

立派な棟梁には、立派な職人さんが集まります。

ぜひこれから家を建てようと思ってらっしゃる方は、立派な棟梁を
見つけてくださいね。

ぼくの家は在来工法なので、建て直す必要は無いと建築士の調査で
確認済です。生まれる前から建っていますが、ぼくの一生のあいだ
修理程度で十分、持つそうです。
それが在来工法なのです。(プレハブは修理も出来ません。)

<棟梁の仲間>
土建屋さん :基礎は何事でも大事です。人間も基礎が大事でしょ
材木屋さん :職人ではありませんが、良い木材を揃えているかな。
タイル職人 :お風呂場やお勝手など、水周りは大切です。
配管職人さん:上水道・下水道、プレハブではアルミの薄い管ですよ
       くにゃくにゃ曲げてすぐ完成です、、
       ぼくの家は、鉄の厚い管です。ねじを切って繋ぎます
左官職人さん:内装も外装でもペンキ塗りも、長持ちの秘訣ですね。
建具職人さん:ふすまや障子ドアや収納、クローゼットも作ります。
電気工事さん:やり方次第で、安全性は各段に変わってきます。
内装職人さん:壁紙や絨毯とか、カーテンとか、
屋根職人さん:瓦やコロニアルやトタン屋根など勾配も関係します
       屋根は修理が必ず必要です。早めにしないと大変です
       防水シートの寿命が大事です。数十年は持つでしょう
板金職人さん:意外ですが手作りの家なら、必ず必要です。
       水まわりの防水加工が多いでしょうか。
雨樋職人さん:屋根の雨水を上手に流すのは、家を守る事でもあります
石工職人さん:石を使う場合もありますね

思いついただけ書きましたが、もっとある気がします。

釘を出来るだけ使わない大工さん。
木組みで強度を作るのです。

金属補強金具は邪道です。錆びますから。
木組みで強度を作るのです。

僕の専攻は電子工学ですが機械工学も学びましたので信じて下さい

機械工学で驚くのは、1000分の1ミリメートルと設計図に書いても
誰がそれを作れますか?、ということです。

家族や家が生活の基本ですが、次に大切なのは地域社会です。
職人さんは、地域社会で活躍しています。
大企業は、利益は本社に全て吸上げられてしまいます。

最後に、職人さんが育つまでには、何十年もかかります。
その職人さんが、今、日本から消えようとしています。
消えたら、育てる人も消えるということです。
伝統芸術・芸能の大切さはよく言われますが、それは衣食足っての
話しです。

職人さんのことは、私たち日本人の生活、生命がかかっているのです

大切さが、少しでも分かっていただけたでしょうか。

プレハブ住宅の設計耐用年数は20年です。
20年すれば、誰もが分かるのですが、それでは遅いのです。

ぼくの知る範囲で、21年でプレハブ住宅がダメになり、又プレハブ
住宅を建てたという例があります。
これでは、もう何も言えません、、

ニュータウンでは、団塊の世代が建てたプレハブ住宅がが老朽化して
来ました。
隙間が出来たり、雨漏りしたり。でも既に定年になったりしてて
誰も省みないのです。
ですから、問題が顕在化しないのです。

プレハブメーカーは、そんな不幸は知らぬ顔、今日もCMに励んで
日本の不幸を拡大っしているのです。

芸術を尊ぶ気持ちがあれば、僕の言ってる職人さんの素晴らしさが
分かっていただけると思います。

そして、芸術的な家に住みましょう。

大企業が職人さんのコストが高いと言いますが1日1〜2万円です
180日(半年)かかっても360万円です。高いですか?

大企業は、それ以上のコストがかかっています。
東京にある巨大なビルの社長や重役がふんぞりかえる革張りの椅子や
秘書や、夜の料亭での接待と称する会社持ちの飲食費も、全て含んで
いるのですから、高いのは当然です。

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下記は、ぼくの考えに合致した実に好ましい考え方です。実例です。
この種の説明、現場や実物などに接する機会が少しでも多くあれば
と、願っています。
それらは意外に身近にあるのです、虚飾を好む日本人には見えない
だけのことだと思います。
大切なのは、良い眼を持つことです。真実を観る眼です。

 http://homepage1.nifty.com/rengo/bunyabetu/kenchiku/kenchikushokai/touryo.htm

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家を持つ事、建てる事は、一生の重大事ですから、本当は、信頼
出来る棟梁を探すために、足と頭を最大限に使って、時間もかけて
今、その棟梁の建てている現場も見学させてもらって、過去に建てた
方々のお話しも聞いて、それから建てるべきです。

家は小さな補修も入れれば数年に一度は棟梁のお世話になる必要があります。
ですから、建て替える時にも、誰に頼むかは決まっているはずなのですが
核家族化が進んだせいでしょうか、騙される人が多すぎます。

その、一助になればと思い、木造軸組工法で家を建てる工務店等の
一覧を、リンクします。

このリンク=良い棟梁、工務店、ではありません。
必ず、貴方の眼と頭と足で、確認してくださいね。

 住宅情報ページ<ie!>(木造軸組)

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