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── 杉本純子 ──
私は2名の方と一緒に、まず最初は二条城二の丸御殿から鑑賞しました。
うぐいす張りの床を踏み、一歩一歩中に入っていくたびに、どんどん
その時代、その時に引き込まれていくようなそんな感じがしました。
そして、数多くのふすま絵の絵柄や色、欄間の彫刻、天井の模様など、
お二人の説明に1つ1つ、見えなくても思い描くことができました。
また、絵だけでなく、部屋によって調度品や雰囲気も変わり、お二人と
おしゃべりしている中で、なんでこういうふうになっているのかと疑問が
出てきたり、1人では気づかなかったことも多く、とても楽しく鑑賞できました。
それから、次は収蔵館を鑑賞しました。
丁度、「黒書院 桜の障壁画展」が開催され、黒書院の障壁画の原画を
見ることができました。
これは、将軍が見る外の風景をふすま絵に描いたもので、一面一面の風景の説明の後、
将軍と同じ位置に立たせてもらいました。
二の丸御殿で見た時と位置がかわったためか、私には見えるはずはないのですが、
なんだか将軍になった気分で、美しい桜や川、家、人などが見えたような気が
しました。
最後の感想会ではみなさんの意見が聞けて、人によっていろんな見方が
あるんだなぁとうなずいたり感心したりで、二条城の奥の深さに気づくことが
でき、とても勉強になりました。
私はこのような鑑賞ツアーとは、今までは見える人に見えない人が全面的に
サポートしてもらって、説明してもらうことだけなのかなと思っていました。
でも、ビューに今回初めて参加してみて、お互いが1つのものを違う角度で、
見たり感じたりすることで、見えない人が説明で疑問が解決するだけでなく、
見える人も新しい発見をして、一緒に楽しめることがわかりました。
また、これからも参加したいと思います。ありがとうございました。
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── 大塚朋世 ──
はじめて会に参加させていただいて、自分の持っていた固定概念を次から次へと
ノックアウトされました。
その衝撃は、この鑑賞会に参加を申し込む際からはじまりました。
見える人・見えない人という呼びかけ方は私の今までの人生のなかで
初めてのことだったので、大変驚きました。
次に受けた衝撃は、対話しながら鑑賞することの重要性でした。
話しながら鑑賞することで世界がさらに広がっていきます。人にものを伝える重要性と
難しさを再認識し、自分の語彙の少なさも痛感しました。
次から次に広がる世界を見たもの見たまま、次から次から口にしてしまい、
光島さんには大変ご迷惑をおかけいたしました。
しかし、その鑑賞の楽しさときたら、今まで展覧会などを見に行っていた時では
感じることのできない感覚に襲われました。
対話しながら見ることによって普段見えないものが見えるのです。
そして、それは見える人も見えない人も同じであるということを
最後の感想をお伺いして感じました。今回の鑑賞会に参加させていただき、
触ることで全てが伝わるように考えていた考え方から、対話なくして
何も始まらないという考え方にかわりました。
今回は参加させていただきありがとうございました。
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── 西谷美紀 ──
新緑が眩しかったさる5月。私は、ミュージアム・アクセス・ビューが主催する
鑑賞ツアーに初めて参加をしました。
ありきたりになりますが、参加の感想は「楽しかった」の一言につきます。
まず、対話しながらの鑑賞がとても新鮮でした。
普段の私は、友人が同伴していても自分の世界に入り込み、ほとんど
黙ったままで見学をしています。そのため、今回の鑑賞ツアーのように、
最初から最後までワイワイ話し続けた鑑賞は、今まで経験したことがありませんでした。
もちろん、初参加ということで、かなり気合を入れすぎていましたが、
同じグループのお二人と襖絵について言葉を交わした時間は、ドキドキの
緊張よりもワクワクの時間でした。
また、ただ見て鑑賞するだけでなく「伝える」難しさも学びました。職業柄、
伝えることに慣れていたはずの私ですが、正直、今回はてこずりました。
自身のボキャブラリーのなさに自信喪失です。
ただ、意外に?思ったままを伝えた方が会話は膨らんだような気がします。
鑑賞ツアーを通して、私は、「思ったままに」「自然に」というビューの
スタイルを実感しました。説明は「思ったままに」、環境も特別ではなく
「自然に」という発想は、目からウロコな体験でした。
そして、何よりツアーの中で一番印象に残っているのは、感想会の時間です。
他のグループの意見や感想を聞きあうことで、作品や資料を思い返すことができ、
理解を深めることができました。また、一人では思いつかないような考えや
発見を最後の最後まで味わうことが出来ました。
最後に、私は代表の方々から次回のビューの活動をお伺いしました。
鑑賞会以外のワークショップも展開されているとのこと。手先の器用さだけが
取り柄の私にとって、非常に興味がそそられる内容だったので、是非
一度参加してみたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
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