4.祭囃子
稽古
けいこ
囃子
はやし
準 備
宵宮や本祭日に曳山を盛り上げる花形が祭のお囃子です。各山組町によって稽古の開始日は若干違いますが、大体4月3日より
若衆が子若衆
(子供)を集めて一ヶ月間に渡り指導します。お囃子を奏でる人たちを「囃子方」と呼びます。
稽古日には山倉を開き囃子の道具(太鼓、笛、鉦等)を稽古場(現在では草の根ハウス)に運ぶとともに大溝祭保存会では山倉の扉を一日開けて風を通します。
宝組の曳山です。上山に畳を敷いている曳山と敷いていない曳山など色々です。畳を敷いていない曳山は自宅から座布団を持ってきました。
稽 古
難しい曲は
中老
ちゅうろう
が楽譜を元に口伝で指導にあたります。また若衆幹部や中老の熟練のものが指導に顔を出すのが各組の伝統として残っています。
ただ単に囃子を伝えるだけでなく、若衆幹部は子若衆に指導を受ける心構えや、お茶の準備や稽古場の後片付けなど、いろんな場面に備えた指導もします。(子供から大人へ。小若衆から若衆、中老、保存会へと歳を重ね、大人になったときも祭って楽しいなと思えるような環境作りは自分たちの為、自分の子供、孫のために大人のしなければならない義務だと思います。)
中央にあるお茶の準備などは年少者の仕事として教えられます。笛を吹くと唇や口の中が渇くのでお茶は必要なものです。
練習が終わると笛は洗って片付けます。これも年少者の仕事です。
笛を吹く人は練習中や本番での演奏中でも、むやみに食べ物を口にすることができません。笛に詰まってしまうからです。
囃 子
演奏する曲目は各組数曲あります。同じタイトルでも各組によって多少リズムや音符の長さや高低が違うものもあります。楽譜は一般の音楽のような音符でなく数字で表されています。
数字で笛の穴を押さえる手を表しますが、どの穴が何番を表すのか各組によって違いがあります。つまり、書いてある数字はまったく違うのに、吹いてみると「同じ」という曲もあります。ちなみに、宝組と竜組は同じ数字でも押さえる場所は全く逆になります。宝の1は竜では7と表現されます。
演奏曲目の演奏場所は各組で決まっています。曳山が山倉より引き出されるとき、町内回り、総門に集合したとき、総門から出発して日吉神社に到着する間、日吉神社を出発して各町内に近づくまで、山倉に近づいてきたら演奏される曲、山倉に納められるとき、納まってから。など、場面によって演奏される曲は違います。曲の変わるときは「吹き出し」と呼ばれ太鼓はだんだん細かくたたかれ、笛は長く続けて吹かれます。じっくり聞き耳をたてて聞いてみてください。
2003年・宝組の楽譜
日吉神社に近づいてくると「上り馬場」、日吉神社を出発する時「下り馬場」を演奏します。組によってタイトルが違います。
各組いろんな曲の楽譜があり流行歌をアレンジして追加している組もあります。そのような"追加曲"は宵宮の曳山「
宵山
よいやま
」で
曳手
ひきて
の休憩中に演奏される時もあります。
トップページへ戻る