伊東静雄「反響」 誕生日の即興歌 やすみ もんどり くらい 西の屋角に 飜筋斗うつて そこいらに さけ ヽ もつるる あの響 樹々の喚びと 警むる 草のし ヽ ヽ ヽ づ いづ つしつ よひ毎に 吹き出る風の けふいく夜 何 こ 處より來て あゝにぎはしや わがいのち 生くる ヽ ヽ ヽ ともしぴ いはひ まあ子や この父の爲 灯さげて 折つて となり まがき 來い 隣家の ひと住まぬ 籬のうちの かの山茶 花の枝 いや いや 闇のお化けや 風の胴間聲 とが それさへ 怖くないのなら 尤むるひとの あるも ヽ ヽ ヽ のか 寧ろまあ子 こよひ わが祝ひに あの花の こころを 言はうなら 「あゝかくて 誰がために ヽ ヽ ヽ 咲きつぐわれぞ」 さあ 折つておいで まあ子
ヽ ヽ ヽ |
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