愛憐
きつと可愛いかたい齒で、
草のみどりをかみしめる女よ、
女よ、
ヽ ヽ ヽ
このうすい草のいんきで、
まんべんなくお前の顔をいろどつて、
おまへの情慾をたかぶらしめ、
しげる草むらでこつそりあそぼう、
みたまへ、
ここにはつりがね草がくびをふり、
ヽ ヽ ヽ ヽ
あそこではりんだうの手がしなしなと動いてゐる、
ああわたしはしつかりとお前の乳房を抱きしめる、
お前はお前で力いつぱいに私のからだを押へつける、
さうしてこの人氣のない野原の中で、
わたしたちは蛇のやうなあそびをしよう、
ああ私は私できりきりとお前を可愛がつてやり、
おまへの美しい皮膚の上に、い草の葉の汁をぬりつけてやる。
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