中原中也「山羊の歌」


    
   宿 酔


 
朝、鈍い日が照つてて
 
  風がある。
 
千の天使が
 
  バスケットボールする。

 
私は目をつむる、
 
  かなしい酔ひだ。
 
もう不用になつたストーヴが
            さ
  白つぽく銹びてゐる。

 
朝、鈍い日が照つてて
 
  風がある。
 
千の天使が
 
  バスケットボールする。