かんぞう(萱草)

 3月上旬頃。草丈2〜3センチ程度。埼玉県。
このくらいだと、前年の白い枯れ草をかきわけないと気付かないが、慣れてくると、枯れ草を見ただけでわかるようになります。
(枯れ草がほかと比べて白いので。)

漢方薬の原料になるかんぞう(甘草)とは違います。早春、「人」の字を逆さにして積み重ねたような形の新芽を出す、日光黄菅に非常に近い野草です。そこらへんの土手、あぜ道、それにローカル線の線路端などでよく見かけます。東京などでも、埼京線赤羽十条間の線路脇の土手などで電車の窓から見えます。また、秩父市内の秩父鉄道の線路端は、春には一面にかんぞうが生い茂ります。くせのない味です。味噌汁に浮かべて、春の風情を味わうのが最も良いでしょう。なお、地域によって生えている種に若干の違いがあります(関東以南はヤブカンゾウやノカンゾウ・東北ではヒメカンゾウ・北海道ではエゾゼンテイカ)が、いずれも食べられます。また、近い仲間に「にっこうきすげ」や園芸品種「ヘメロカリス」などがあり、これらも食べられます。

採集適期・・・3-4月(関東地方)。ちょうど桜が咲く頃と考えるとよいでしょう。

群生している様子。平成19年3月24日。神奈川県。
時期的に桜の1週間前。耕作放棄地(谷戸)の「元・あぜ道」にて。草丈10センチ前後。
これなら見つけ易いけれど、もっと小さいうちの方が美味しい。


2週間程度でこのくらいに成長します。まだ食べられます。時期は、満開を過ぎて葉桜になりかけの頃です。
平成18年4月。神奈川県。

夏のかんぞう。ゆりに似た花を咲かせます。
写真はヤブかんぞう。平成20年7月。奥多摩。
公園や河川敷などでは花を咲かせる前に
草刈り機の餌食になってしまう場合が多いのですが、
横浜の市街地の公園で、たまたま花壇の中に生えたため、
運良く花を咲かせているものを見たことがあります。
アップ写真です。花びらがくしゃくしゃに重なっているのが
「ヤブかんぞう」たるゆえんです。
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