山村暮鳥
「風は草木にささやいた」



  
 ポプラの詩


 
すんなりと正しくのぴ
 
うすいみどりの葉をつけた
 
高台のポプラの木
     あたり
その附近から
 
みえる遠方はなつかしい
 
一本すんなり立つてゐても
 
五本六本列んでゐても
 
此の木ばかりはすつきりしてゐる
 
そよ風にこれがひらひらするのをみてゐると
 
わたしはたまらなくなる
 
ああ此の木のやうな心持
 
怖しい敏感なポプラ
 
冬のをはりにもう芽ぶき
                 おちば
秋には入るとすぐ落葉する
 
ああポプラ
 
これこそ光線の愛する木だ
 
子どもらは此の木のしたで遊ばせろ