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■REPORT/2004-04-24 “THE VENTURES IN JAPAN TRIBUTE Vol.2” 888日後の真実 |
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2004年4月24日、Mベンチャーズは2度目の “THE VENTURES IN JAPAN TRIBUTE”を開催しました。これまで積極的に演奏曲の記録をネット上に公開してきたMベンチャーズですが、なぜかこの日の演奏はビデオの頒布もなければ音源の公開もなし。いったい何がそうさせたのか・・・。せっかくにわかベンチャーズのメル七田さんが当日のビデオを編集し、前回の「オールアバウト」並の作品になるかという素材ではありますが、このままでは永久にお蔵入りです。なんて、もったいぶるわけではありませんが、素材の公開が遅れたのはマスターディスクの保持者であるメロ小澤が球磨弁でいうところの「はらかいた」からに他なりません。しかし、人間888日も経てばどんなに「はらかいた」事であっても「よか、よか」となるもんです。さすがにどうでも良くなったので、今回音源のみ公開し、さらに気が向いたら映像付DVD配付というのが、今時点のおぼろげながらの構想です。 【録音環境】 録音は東京・亀戸のカメリアホールで行われた“THE VENTURES IN JAPAN TRIBUTE VOL.2”のライブ演奏です。本物のベンチャーズがリリースした“THE VENTURES IN JAPAN”(1965年1月録音、6月発売)を模してのコンサートですが、本物がグヤトーンアンプ使用にもかかわらずメンバーの持ち駒アンプの関係からアルバム・ジャケットの写真に写っている「バンドマスター、ツインリバーブ、ベースマン」というフェンダー3台で構成しています。 元々ツインリバーブで“IN JAPAN”のような歪んだリードギターの音を出そうというのがそもそもの間違いで、ムッツリー山田はなぜか生音での演奏に拘りましたが、最後は録音ディレクターである私の強権発動でアッテネータを使っての出力調整となりました。前日仕事で帰宅が明け方の4時、起床6時の私は、バンマスのこの判断までにおよそ小一時間かかったことに激怒ポイントが加算。さらに使用機材の品質トラブルもあって、リズムとベースギターはショーマンアンプを使うという、見た目も音質も本物とは似ても似つかない構成になってしまいました。 ところで、アッテネータというのは優れもので、通常アンプの音量調整はアンプ側のボリュームで行いますが、アッテネータはアンプからの出力を直接加減するために、とくに真空管アンプ等の高ゲイン時のひずみを得たまま音量調整することが出来ます。当日共演のテケブル・ヨーホー竹内さんからお借りしました。従って、リードのツインリバーブはアンプ音量をフルでセットしで、アッテネータ側で出力を70〜80%カットした、「嘘つき」な音です。 マイクはドラムスに3本(天吊り、スネア、バス)、各ギターに1本(計3本)、MCに1本、会場音声1本です。ただし、指向性マイクのため、“IN JAPAN”の様な残響音を拾いません。また、ちょっとスネアがクリアに入りすぎました。録音は前回同様YAMAHAのMD8です。 【ミキシングについて】 まずドラムの3チャンネルですが、そのままではクリアすぎるので上からの二つは後で残響音効果を出すためにドカンと中高域を増しました。逆に、バスドラは低域を増やしてます。リズムチャンネルは、弄りようがないので若干中域を持ち上げ、他はほぼそのままです。リードは歪ませたせいで「モサモサ」してしまったため、相当イコライジングをかけて調整しています。さらに最悪なのがベースで、アンプメンテナンスが悪く、中域がノイジーな歪みばかりになっていて、楽器の音になっていません。その為ほぼ低域だけの音で仕上げざるを得ませんでした。このため音粒が全く感じられず、残念です。 本来一曲ずつミックスダウンしてバランス取りをしますが、最終的にはDVD向けの音源になるため、DVD側の編集がしやすいように録音したMD単位で仕上げています。そのため、3〜4曲分を一度に一発ダウンすることになり、なかなかぴたっと決まらず、失敗が重なって、いい加減イヤになってしまいます。 実際ここの音源は追い込まずに途中で放り投げた音源といえなくもないです。これは後述します。 【演奏について】 演奏自体は良くも悪くもMベン特有のサウンドになっています。本来録音・録画目的の公開ライブであるため、大きく間違った場合は「やり直し」有りが前提です。しかしながら結果として演奏をやり直した事は一度もありませんでした。メドレーはウォーズ本吉のリードですが、あれほど言ったのにパーフィディアをリア・ピックアップのまま弾いてしまってます。ドライビング・ギターでは「コードが駄目」でベースがハウリングを起こしています。ベースチャンネルの音量調節ではどうにもならないくらい隣のリードチャンネルのマイクでハウリングを拾ってしまっているので、どうにも加工できません。 リズムチャンネルでは、ブルドッグの一番美味しいところでミストーン・・・。その瞬間は消して追放にしています。さらにパイプラインでは聴覚検査かと間違うようなハウリング音、極めつけはバンブルビーで被さってくるブーブーノイズ。いずれもプレイヤーですべてコントロール出来、電気楽器を扱う時の基礎の基礎があれば十分回避可能です。バンブルビーの後、ステージ上で私はマジ切れしてしまい、危うくコンサート中止になるところでした。大人げなかったともいますが・・・。 ドラムも頂けません。テンポの浮き沈みが相当あり、「演奏している」とは思えない散漫な部分も耳につきます。なによりスネアのチューニングが甘く、演奏の善し悪しよりこうした事前の「楽器と向き合う姿勢」に隙があったことは真摯に反省する点だと思います。 リードは安定してますね。オンステージものは出来ればアッテネータを戻して歪みを押さえた方が良いと思うくらいで、アパッチの「あそこ」をわざとやったりとかツボが押さえてあり、バンブルビーのトレモロピッキングはとても良い雰囲気です。なおさら、バックの情けない為体は悔やまれるところです。 【リリースするにあたって】 録音したディスクはライブ翌日には一通り聴き通したのですが、総じて情けない録音であり、その日のうちに「放り出し」、お蔵に入れてしまいました。ただ、当日支えてくれた方々にも申し訳が立ちませんし、まあ、888日も経ち、「よか、よか、」という気持ちが芽生えて来たところで降参です。皆さんのご感想をお待ちしています。 【音源はすべてmp3形式】 ◆01.WALK,DON'T RUN〜PERFIDIA〜LULLABY OF THE LEAVES (IN JAPAN) ◆02.DRIVING GUITARS (IN JAPAN) ◆03.BULL DOG (IN JAPAN) ◆04.PIPELINE (IN JAPAN) ◆05.APACHE (IN JAPAN) ◆06.SLAUGHTER ON 10TH AVENUE (IN JAPAN) ◆07.WALK,DON'T RUN '64 (IN JAPAN) ◆08.BUMBLE BEE TWIST (IN JAPAN) ◆09.WIPE OUT (IN JAPAN) ◆10.JOURNEY TO THE STARS (ON STAGE) ◆11.PEDAL PUSHER (ON STAGE) ◆12.WILD NIGHT (BOBBY VEE MEETS THE VENTURES) ◆13.THE NINTH WAVE (SURFING) ◆14.YELLOW JACKET (ON STAGE) ◆15.CARAVAN (IN JAPAN) |
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