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●概要 級数には種々あるが、良く見ると数種の型に分類できる。それらの型につき、変数のオーダによる収束を予測する。 ●原理 一般的に級数の収束予測は、数学的な逆関数がないので数式からは求められなく、工夫が必要である。 ○線形型 良く現われるのは、例えば、 Xk / k である。1/k 部分は、収束に殆ど参加しないので、変数の次数が支配的となる。係数を無視しても評価はできるが、一応考慮する。また、偶数型、奇数型も、項数が大きくなると違いはなくなるが、ここでは、律儀に区別している。 収束する項数を見積もるだけなら、上式を単純化して、以下の条件式を得る。 (10M)k / k ≦ 10-P (P > 0、M < 0) 両辺の常用対数をとると、 M * k - Log(k) ≦ -P と表せる。この場合も、k については解けないので、以下の方法で解く。この場合、支配的なものは、M * k なので、
○階乗型 よく現われる級数の項目は、例えば、 Xk / k! である。また、偶数型、奇数型も、項数が大きくなると違いはなくなるが、ここでは、律儀に区別している。収束する項数を見積るだけなら、上式を単純化して、以下の条件式を得る。 (10M)k / k! ≦ 10-P (P > 0) M = 0 なら、FactorialItem関数 にて簡単に項数が求められる。指数のみに注目すれば(対数を取る)、 M * k - FO(k) ≦ -P (FO:FactorialOrder関数) と表せる。これを以下の方法で解く。
○二重階乗型 この型は、逆関数などの級数展開で現われる定型である。 ((2k-1)!!/((2k)!!(2k+1)))・X(2k+1) k が十分に大きければ、上式はほぼ同じとなる。二重階乗で表される係数部分を、ざっくりと省略形にすると、分子の二重階乗と分母の二重階乗はほぼ相殺(約分)され、2k のみ残るので、結局、k が十分大きければ、係数は、 1 / (2k)2 と評価できる。係数は、徐々に減少はするが、k = 106 でも、精々12桁の精度となる。つまり、二重階乗係数の収束は遅いことになる。変数の次数に期待するタイプと言える。係数を Z と置けば、 Z * (10M)(2*k+1) ≦ 10-P (P > 0、M < 0) が、条件式となるので、常用対数を取れば、 Log(Z) + M * (2 * k + 1) ≦ -P を得る。支配的な部分は、M * (2 * k + 1) なので、
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