伊東静雄「反響」
わがひとに與ふる哀歌
かの微笑のひとを呼ばむ
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つか
われ烈しき森に切に憔れて
日の了る明るき斷崖のうへに出でぬ
靜寂はそのよき時を念じ
海原に絶ゆるなき波濤の花を咲かせたり
あゝ默想の後の歌はあらじ
われこの魍魅の白き穗浪蹈み
おもて
夕月におほ海の面渉ると
かの味氣なき微笑のひとを呼ばむ
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