「ダンテはいつまでも大詩人として尊敬されるだろう。……だれも 読む人がいないから」 と、意地の悪いヴォルテーアが言った。 ゴーボやゴーガンもいつまで崇拝されるだろう。…… だれにも彼らの絵がわかるはずはないからである。 (大正十年五月、渋柿)