一に一を加えて二になる。 これは算術である。 しかし、ヴエクトルの数学では、1に1を加える場合に、その和 として、0から2までの間の任意な値を得ることができる。 美術展覧会の審査には審査員の採点数を加算して採否を決めたり する。 あれは算術のほかに数学はないと思っている人たちのすることと しか思われない。 (大正十年十月、渋柿)