第一流の新聞あるいは雑誌に連載されていた続きものが、いつの まにか出なくなる。 完結したのだか、しなかったのだか、はっきりした記憶もなしに 忘れてしまう。 しばらく経てから、偶然の機会に、それの続きが、第二流か三流 の新聞雑誌に連載されていることを発見する。ちょっと、久しぶり で旧知にめぐり会ったような気がする。 なつかしくもあれば、またなんとなくさびしくもある。 (大正十三年十二月、渋柿)