初秋の野草

葛(くず)
おなじみの、厄介もののつる草です。
見分けられるか否かという問題を無
視すれば、
見た事ないという人はいないでしょう。
八月から九月にかけて上記のような
赤紫色の花を咲かせます。花には、
ぶどう味のラムネ菓子の強い香りが
あります。(本当だって!)
利用法としては、若い葉やつる先を
乾燥させて、お茶にする(ほろ苦い
味がする)、花をお酒に漬けるなど。

==代表的な生息地==
*高速道路の高架の下
*コンクリートで固められた斜面
*工事用資材置き場
*放置されている雑木林の林縁
烏瓜(からすうり)

しばしば馬鹿にされるからすうり。
子供の頃私は、金網にからまっている
これを使って、小学校の行き帰りに友達
と、雪合戦ならぬ烏瓜合戦をよくやりまし
た。
これを知らないって人、もしいたら、
「私はたんぽぽを知らない」
のと同じくらい、その人は異常です。
さて、この烏瓜、
烏だけでなく人間が食べてもいいんです。
夕顔(=冬瓜)のような味わいで、乾燥さ
せるとかんぴょうにもなります。ここ数年、
おなじみの採集地が除草剤散布の対象
になってしまっているので、食べられずに
いましたが、別の場所で発見し、早速
採集しました。
なお、食べられるのは、まだ若い、
緑色の果実のみです。赤く色づいて
しまったものは、食べられません。
からすうりと、あらげきくらげの煮物

==代表的な生息地==
*畑の片隅の、古びた作業小屋の周囲
*道端の金網やフェンス
*工事用資材置き場
*放置されている雑木林の林縁
*放置された果樹園や桑畑

なお、左の花は、からすうりの花です。
夜しか咲かず、朝にはしぼんでしまうので、
撮るのは大変です。
紅花ボロ菊(べにばなぼろぎく)

赤い花を咲かせるキク科植物。
歯ごたえのない春菊といったところか。

「ボロ」の名は、花が咲いた後の綿毛(わたぼうし)
が、ほつれたボロ布を思わせるところから。

帰化植物なんだけど、
市街地では他の帰化植物との生存競争に敗れ、
林の縁、林の中のちょっと開けたところなどに生育。


左:撮影日時:平成18年12月3日
霜が降ると凍みてしまうのだが、
暖冬気味のため、12月になってもまだ生きていた。
左下・下:撮影日時:平成19年10月28日
蔓豆(つるまめ)

大豆の原種。大豆と同様、茎(蔓)に
毛が生えている。できる豆は春の
「烏野豌豆(からすのえんどう)」級。
豆を集めるのは大変です。

豆の産地:丹沢南麓
藪蔓小豆(やぶつるあずき)

あずきの原種。こちらも莢の大きさは
烏野豌豆級。とても豆を集める気には
なりません。大昔の人は、最初はこれを
集めて、食べていて、
何百年もかけて少しずつ大きい豆を
選抜していって、今見られる「あずき」に
していったわけです。

撮影:山形県 小国町
ここにかつて掲載されていた「すぎひらたけ」は、平成16年、中毒事例が報道されたため、削除しました。
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