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●概要 陽関数、媒介変数関数で、問題となるのは、特異点の扱いである。不定、無限大、垂直接線などを検出、予測し、グラフ上に表す。 ●背景 単純に変数を与え、関数値をプロットしてもそれなりのグラフは描画できるが、特異点やその前後の描画が正しくできない。例えば、tan(X) をそのまま描画すると、+∞と-∞の跳躍点(垂直接線)が、有限の値を持ったインパルス応答のような波形と描画されてしまう。また、そのまま、導関数や不定積分関数を算出しても正しくない波形しか得られない。 ●不定 0/0 である。浮動小数点では、これらの結果は、NaN となり、非数値となる。関数値を求める場合、この演算に遭遇するの稀となるが、通常、極限値となる。例えば、sin(X)/X で、X = 0の場合は、値は1となる。これは、lim[X → 0] sin(X) → Xなる関係があるからである。このコントロールでは、個々の数式を解析する訳ではなく、NaNが起こった場合は、その前後の値から類推する処理をしている。NaNが生じなかった場合は、普通に演算して正しく表示できる。 ●無限大 浮動小数点では、無限大はエラーにならなく無限大の状態を示す。この状態になった場合や、微係数を追跡し、ある閾値以上になった場合は、無限大と推測する。1/Xや、log(X)などで現れる。 ●垂直接線 無限大に隣接した点が、異符号の微係数を持った無限大となる場合は、垂直接線(垂直カスプ)と推測する。tan(X)やlog(abs(X)) などで現れる。 ●無限大の扱い これがあると、グラフの関数値域が長大になるので、ある有限の範囲で描画し、無限大点に垂直接線として表示する。また、この存在は分かっているので、導関数や積分の処理も正しく行える。
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