DS2はまだ来ません。
「愚者のエンドロール」。米澤穂信。角川スニーカー文庫。
耳コピーではないんですが、面白かったので紹介します。
まずはあらすじを。一応後半の所は伏せときます。読むときは選択反転して下さい。スタイルシートが無効な環境では伏せられていません。
あらすじ
あるクラスが文化祭でミステリのビデオ映画を作ることにしたのだが、制作中に脚本家(本郷真由)が過労で倒れ、入院してしまった。脚本は撮影と並行して作られていたため、後半のシナリオは真由以外誰も知らない。しかし真由の容態は重く、本人から聞くことはできない。しかしこのビデオ映画を諦めるわけにはいかない。
主人公(折木奉太郎)はこのクラスの一員ではないが、ある縁からこのミステリ劇のトリックを見抜く大役を仰せつかる羽目になる。
そのクラスの江波倉子から三人を紹介され、それぞれの推理を聞くが、奉太郎は全てを否定し、やがて前半のストーリーと矛盾しないトリックを自らで見出す。
かくしてビデオ映画は文化祭までに完成し、これにて一件落着、と思われる。
しかし、完璧だと思っていた奉太郎の推理も、知人に微かな矛盾を突かれ、自信を失う。
この件を依頼したクラスの代表者に問いただすと、事の真意を聞かされる。
真由の用意した結末(死者の出ないミステリ)では、クラスメイト達が納得しない。しかし真由は死者の出る話を書きたくないという。真由を悪者にしないために、他にこのミステリ劇の結末を考えられそうな人間を捜していた。そこで奉太郎に白羽の矢が立てられたのである。
結局のところ、奉太郎は真由の考えていた結末を見出したのではなく、自分で新たな結末を作ってしまっていたのである。
……とまあ、こんな感じなのですが。
「既出の部分と矛盾がないようにその続きの話を考える」というのは、まさにPBMそのものというか。
クラスの三人が考えたトリックは、それぞれ奉太郎に却下されてしまうわけで、「失敗アクション」とみなすこともできるでしょう。
そしてこれらの各案が奉太郎に却下される行程こそ、「アクションが没になる行程」かも知れないです。
とはいえ、マスタリング期間というのは非常に限られていますから、一つ一つのアクションに対してここまで細かい考証をしてくれているかというと、僕にはよく判りませんが。
そんで、奉太郎(=マスター)の判断とて完璧ではない、けれどクラスの人々(=プレイヤー)が楽しめれば評価はされる、でも奉太郎はそこで満足してはいない。というような読み方ができました。
PBM的に「未完のビデオ映画のトリックを考えて欲しい」というのが、その前の回に振られたネタだとします。
そこで、トリックを考える、というアクションは、確かに正しいです。
けれども、一歩踏み込んで「なぜ真由に直接聞くことができないのか。それすらも聞けないほどの重体だとしたら、真由を親友と呼ぶ江波の態度はあまりに落ち着きすぎている。そしてもし真由の容態がそれほどまでに悪くないのだとしたら、なぜ真由に聞かないのか?」という所まで読みとることができれば──まこと理想論ではありますが──、おのずと活躍への道は開かれるのではないかと。
自分のアクションを読み返してみると、やはり「トリックを考える」止まりであるような気がします。
あんまり欲張っても仕方ありませんが、どうせならその先まで見通せるようになりたいです。マスターとの知恵比べというか。
というわけで、「6月屋」にリンクしました。
「6月式アクション講座」では、アクションの基本事項が体型立ててまとめられていて、構造を学ぶのによさげです。
特に「◆チェックポイント◆ 〜ちょっと得する豆知識〜」と「◆ワンテーマ講義◆」の「第3講 使える技能、使えない技能」が興味深いです。
豆知識の中から、ちょっと長い引用になってしまいますが、、、
●内容について何か推理をした場合は、その回のアクションとまったく関係がなくても、アクションシートに書いておく事をお奨めします。はずれていてもペナルティはありませんし、もし当たっていれば思わぬ活躍ができるかも知れません。ノーリスク・ハイリターンです。※後日注:6月様より、このテキストに合うようまとめ直したものをいただいたので、差し替えました
推理までは思いつかない場合でも、何か気になった点があれば、行動とは別の形で、アクションシートに「○○は重要だと考えています。もし当たっていたら何か記述をお願いします」と書いておくと良いでしょう。本当に関係ある情報ならば、マスターもそれを出す機会をうかがっているはずですから、対応してくれるはずです。
ともすれば観念的になりがちなアクション講座ですが、このやり方(推理は行動と別に併記)はとても具体的です。そしてすぐに使えるテクです。
まあ推理がなければ無理に実践する必要もありませんけれども、たとえ見当違いでも、積極的にストーリーに関わろうとする姿勢を見せれば、それはマスターにも伝わるんじゃないかなぁ、と。
DS2のスタートブックが届きました……実家に。
っかしいなぁ、振込用紙には新住所を書いたんだけど。でも遅延のお知らせは実家に届いたし、でもDS2のネットプレス増刊号は新住所に届いたし。どうなっているんだろう?
仕方ないので転送してもらうことにしました。
あー、無駄にドキドキ。
「6月屋」の6月様にリンク報告のメールを送ったところ、お返事をいただきました。
その中で、8日の覚え書きについて、引用部分をテキストに合うようまとめ直した物をいただいたので、差し替えました。
6月様、ありがとうございました。
DS2ですけど、今週末に帰省することにしたので、そこで直接持ち帰ることにしました。その時までお預け。フィギュアもな。
とりあえず、キャラメイクに関して。
うまいプレイヤーさんのキャラを拝見すると、種族(職業)と技能だけでもすでに個性を発揮しています。
組み合わせの妙というか。あるいはこじつけ技術というか。
懲りすぎないように注意しながら、技能からキャラクターの人となりを想像できるような、そういうキャラメイクを目指したいです。
あと、ハードディスクの片隅から、『エイボス・ニードル』の時のいろんなものが発掘されました。
折角なのでキャラ設定とプラリア一本をさらすことにしました。
……って、この時も「NPCに勝手な願望を抱き、盲目的に愛情を注ぐ」というプレイをしていたのか。やれやれ。
ええと、とらのあなでコミケカタログを買うと、DS2のイラストが描かれたカタログケースが付いてくるそうで>とらのあなウェブサイト通販ページ
ヨーコ様らしき方がおられるので、コミケには行けなさそうなくせに本気で購入を考えもしましたが、とらのあなに行く機会がなさげなので断念気味。
それはそうと、このヨーコ様らしき方の目がマヅルちゃんっぽい気がします。やはり九鬼忍軍の出なのでしょうか?
ついにDS2のスタートブックとご対面。
なくてもあんまし値段変わらないってことでフィギュア付きにしました。が、これ、自立できないっぽいです。寄りかからせなければ立てません。
関係ないけど、いくらなんでも露出しすぎじゃないでしょうか?
システムに関して。
レベル上げのためにもクレジットを消費せなならん、とゆーのが馴染みにくいです。面倒臭いというのと貧乏性とで。
前作では、レベル(能力値)の効果というのを感じたことは全くありませんでした。まあ戦闘キャラではなく研究系だったからかもですが。
もちろん能力値的に強いには越したことはないんでしょうが、どの程度まで上げりゃいいのかが、始まってみないとわからないですね。
パッケージには「やり込んでいるプレイヤーのペースに合わせる必要はありません」と書いてあるんですけど、この「やり込んでいる部分」ってのは、つまりはこの「戦闘行動」と「冒険行動」でのレベルアップ、ということでしょうか? 絆行動もあるんでしょうけれども、これはどちらかというとストーリー行動の補足という面が強そうですし。
とゆーことは、「レベルアップしようとしまいと、最終的にはアクション次第ですよ」という話?
だのに「そのキャラクターのために出された行動ハガキの枚数の合計は、そのキャラクターの『活動量』としてマスターに参照されます」って。「相応に熱心なプレイヤーによってプレイされているものと評価」って。
あああ〜、ヨーコ様のために踊らされてみようかしら。絆アクション300クレジットだ!
それはそうと、まさか「ストーリー行動」を同じターンに複数枚出してもよい、なんてことはあるのかしらん? ううむ、確認してみようかな。
前作といえば、用語集に前作での僕のPCが載っていたのが嬉しかったです。
「〜なのだ」口調の13才少女軍人、2ターン目からの参加、初登場では驚かされて失神して終わり、その後もアホな行動を繰り返し、ひたすらNPCのコルキス爺さんを追っかけるだけといういろいろと香ばしいキャラでしたが、最終回では爺さんの跡を継いだり、その関係でリア交換のお手紙をいただいたり、そして今こうして用語集に載ってみたりして、個人的にはかなり満足してしまっています。
コンバートもできるらしいですが、さすがにこいつを使う気にはなれません。使い道なさすぎっちゅーねん。
キャラ登録〆切が1月6日ってことですが、年末年始は比較的忙しいみたいなので、なるべく今週中にキャラメイクしたいなぁ、と。
DS2用ページも作りたいし、作るからには投稿で宣伝もしたいし、私信も書きたいし、やることがたくさんです。
うわ、ずいぶん入れ込んでるなあ僕。
早速こんなん作ってみました。ちなみに一番時間かかったのはt-cup掲示板の設定。
情報収集や分析ってあまり得意じゃないですけど、やるからには楽しみたいなー、と。
「はじめにお読みください」によると、「(キャラクターは)余裕があったら何回か作り直しましょう」とのことなので、まずは1キャラ目。
種族に関して。
ヴァルキリーが格好いいなぁと思っていたのですが、「世界の秩序(存規)を乱す存在を許せないため、黒の月を憎んでいる」という設定を覆すほどの動機を思いつけないので断念。
エルフは「厳格な掟を守って暮らしている」というのが微妙なので、ヴァルキリー同様却下。
ダークエルフは、黒の月側につく、という行為に違和感がないので逆に却下。
ドワーフは、「(ドワーフの)女性は小柄で可愛らしい姿をしており」という設定がなんとなくイメージと違うので却下。
ドールは、、、なんとなく却下。できないことはなさげですが。
スポーンは、その美意識とやらがよくわからんので却下。ヨーコ様の美意識ともおそらく相容れることはないでしょうし。
ノスフェラトゥは、ダークエルフとほぼ同様で、さらに怠惰っぽいので却下。「非常に希」と公式にアナウンスされている「希」にはなりたくないですし。
トロルは、年に二回の何とやらが厄介なので却下。というのは冗談としても、自分のビジョンとちょっと違うので。(「鬼畜王ランス」のケイブワン&ケイブニャンみたいなキャラだったらいけるかも?)
つーことで、消去法的にヒューマンに。
キャラクタークラスと国籍に関して。
最初はヨーコ様に無闇に忠誠を誓ってみようと思い、だったらサムライかなぁとか考えてたんですが、それじゃあまりにも成長がないので、もう少し自立したキャラを目指したくて、でもヨーコ様側につくのは間違いないので帝国軍人と特殊クラスがまず却下、直接戦闘系がやりたいので魔法使いとガンスリンガーが却下、おそらく単独行動も必要になるので単体では力不足なストライダーも却下。とまあこうなって残りは4種なんですが、独自の価値観を持てそうな魔狩人が最適かなぁ、と。
ヨーコ様に認められるにはなんにしてもまず力が必要でしょうから、やはりデモンスリンガーであるのは不可欠かと。ということでDS魔狩人に。
魔狩人ってことで、国籍は半ば自動的にサウス・エクソディア連合に。
髪型と特徴と設定とデーモンウェポン特徴に関して。
少しでも関連性らしきものをつけようと。
「身体の痛みは紛らわせても、心の痛みは……難しいものですね」みたいな。うはー、ステロだ!
特徴は、こういう場合は性格的なものと外見的なものをそれぞれ取った方がいいかなぁ、と。
髪型は、別になんだっていいんですけど、まあ普通に。ヨーコ様は「緑・ロング」ってとこでしょうか。それとも縦ロールは「エキセントリック」になるのか?
技能とアイテムに関して。
ヨーコ様についた時点で正規のデーモンメンテナンスは受けられなくなりそうなので、一応自分でもできるように……なるんかなぁ?
収入が1000しかないので、無駄遣いはできないです。他の技能はゲーム開始後に。アイテムも同様。
「魔法・防具・アイテム一覧表」を見ると、最高で1800000なんて品物もあるんで、うまくすればそれくらい稼げるようになるんかなぁ、と。
まあヨーコ様につく時点でその辺りは諦めてますが。
性別と年齢に関して。
性別は僕にPBMを教えてくれた人の言葉「自分と逆の性の方がやりやすいぞ」が刷り込み的に染みついてますね。
それ以外にも、男キャラを作るより女の子キャラを作る方が楽しいとか、そんなこんな。
年齢は、前作で13才の少女軍人を作り、素敵に役立たずだったので、その反省を生かしたつもりで。子供は嫌いだー。
キャラ名とデーモンウェポン名に関して。
実家で飼ってる&飼ってた犬猫の名前から。
ネーミングセンスの無さには自信があるので、あんまり独自のネーミングはしたくないなぁ、と。餅は餅屋だ。
キャラクターイメージに関して。
ええと……頑張って描いてみます。キャラシートに印刷されちゃうんかなぁ? はうあう。
も、もしかして、お、お、、、OMCとか? ドキドキ。
全体的に。
キャラクター登録ハガキにも行動ハガキにも「自由設定欄」とか「キャラ紹介欄」とかに相当するものが見あたらないので、補足が必要な設定(「見えないところに刺青がある」や「仇を捜している」、「特定の人物に憧れている」など)はなるたけ取らないように意識しました。いちいち説明しなくても、行動のプロットから想像してもらえるように心がければなんとか、、、なるかなぁ。
類型でいえば、「さまよえる跛行者」かなぁ、と。
それはそうと、口調に類する設定がないですなー。
つーことで、ストーリー行動のプロットにはキャラの口調を代表するようなセリフ例を入れることを忘れないように、と、覚え書きらしくしたためておきます。
今日はアレです。前作のキャラをコンバートしてみます。
もしこのキャラでやるとすれば、『王を運ぶ羊』とか13人委員会のことは秘密にして行動することになるかと。
「お、『王を運ぶ羊』? な、なんのことなのだ? あたしはそんなの、き、聞いたこともないのだ」<挙動不審
やー、キャラメイクって面白いなぁ。
今日はアレです。無意味にギャラクシーエンジェルから引用してみます。
ミルフィーユとランファ(ニンジャ)、フォルテ(ガンスリンガー)ならやってもいいかな、と。
ミント(エルフ貴族)とバニラ(ノスフェラトゥ司祭)は、PCとして使うにはちと辛いかにゃー、と。好みの問題ですが。
やー、ギャラクシーエンジェルはおもしれーな。
あと、勢いに任せてプラリア書いてみました。アクションもないのにリアクションって。って。
住所変更願と、サイト紹介投稿と、私信を書いてました。キャラクター登録ハガキは、シャロンでほぼ確定ですが、一応もう少し考えてみます。
プラリア書いてみて、それほど扱いにくいという印象はなかったです。ただちょっと、ヨーコ様に関わる動機がどうなるのか未確定な部分があって。
おそらく一般人とは相容れない価値観を持っておられるであろうヨーコ様にどうやって付き従うか、とゆーのがまるで思いつかないというか。
まあ全ては初期情報が出てからっつー話もありますが。
とにかくこれくらい盛り上がっているぞーというアピール。
ふと思ったんですけど、ガゼッタのヨーコ様の項、「カバル? ああ、あの外様ね」と、カバルについて言及しています。
ということは、『王を運ぶ羊』にもできることはあるのかも? ドキドキ。
年末年始は帰省してしまうので、早々とDS2のキャラクター登録及び交流誌投稿、住所変更願、私信を送りつけてしまいました。速達で。
これ以上手元に置いておくと余計なことをしでかしそうです。「蛇足」という故事成語を思い出すことしきり。
キャラは17日の覚え書きに書いたやつほぼそのままです。
キャラクターイメージもちゃんと描きました。僕が絵を描くときは、漫画とかイラストとかから描き写すことが多いです。まあ描き写すといっても、僕の画力では原型なんぞちいともとどめておらんです。それでも顔の輪郭とか、髪の毛の描き方とか、目鼻の配置とかが、何も見ないで描くよりは多少はまともになるかなあ、と。
ちなみに今回のお手本は、昨日買った「エイケン」の鈴さん。「ないよりはマシ」という表現がとても相応しい仕上がりとなりました。
交流相手やオフィシャルの絵描きさんに自分のキャラを描いてもらったことがあるんですけれども、つくづく思うのは「視覚イメージは偉大だなぁ」ということです。
言葉でキャラクターを詳細に表現しようとすると、プラリアみたく膨大な量になってしまいます。
それが絵描きさんの手にかかると、たった3×4cmで表現できてしまうわけです。
さらには、プラリアを送りつけても、大抵は参照の義務を負わない別紙扱いとなってしまいますが、イラストというのは正規のアクションに含めてしまえるのです。
僕のへっぽこイラストでも、イメージ伝達の一助にはなるのではないかと。
……というのはただの理屈で、とどのつまり「下手の横好き」なんだろうなぁ。他人の目はどうあれ絵が描きたいだけっぽいです。カラオケと一緒です。
昨日の覚え書きがあまりにも日本語になっていないので一部手直し。やれやれ。
人を好きになると色々不自由です。「好き」と言いたいのに言えない、手をつなぎたいのにつなげない、いつでも会いたいのに会えない、まあそういう色々。
でも「この恋愛は自由度が低い!」と怒る人はあまりいないだろうなぁ、と思う次第。
そういう不自由──あるいは「障害」と言い換えてもいいかも知れない──を取り除いていくのが恋愛だとすれば、だとすれば、ええと……恋愛中くらいPBMのことなんか忘れて浮かれてろと言いたいわけですよ僕は。──あれ?
17日の覚え書きで引用しましたが、DS2のヴァルキリーという種族には、「世界の秩序(存規)を乱す存在を許せないため、黒の月を憎んでいる」という設定があります。同じくエルフ族には「厳格な掟を守って暮らしている」という設定があります。
これらは、「黒の月に与するヴァルキリー」や「掟を破ることを厭わない革新的なエルフ」を演じることを原則的に禁じます。あるいは「黒の月を憎むこと」や「掟に縛られていること」が、ヴァルキリーやエルフのアイデンティティであったりするのかもしれません。
だから、「黒の月に与するヴァルキリー」を演じるには、「ヴァルキリーという種族は一般的に黒の月を憎んでいる。にもかかわらず自分のPCはなぜ黒の月に与するに至ったか」ということについて、マスターを納得させられるほどの理由を併記しなければなりません。
これを、「マスターを納得させれば『黒の月に与するヴァルキリー』を演じられる」と見るか、「マスターを納得させなければ『黒の月に与するヴァルキリー』を演じられない」と見るかが、その人にとっての「自由度」なんじゃないかな、と。
僕がDS2でやりたいのは「『黒の月』に与するヨーコ様に与すること」です。
そして、DS2のPC達は「黒の月」に対抗する、というのが原則です。
従って、僕は自分のPCが原則に反している理由を、マスターが納得できるような形で説明しなければなりません。
そんなわけで、「ヴァルキリーが黒の月に与する理由」について労力とプロット欄を割く余裕はありません。
だから僕はヴァルキリーを却下しました。
……ううむ、なんだか理系作文チックな文章になってしまいました。
とにかく、その気になれば世界設定の一つや二つ破るのは可能です。けれどそれはあくまで「一つや二つ」であって、しかもそれなりの代償が必要になります。その「一つや二つ」をどうやって取捨選択するかが、プレイヤーに必要な「技術」の一つです。
柳川房彦氏の言ですが、「物語とは、その始まりと終わりで変化がなければならない」という考え方があります。既存の世界設定の一部を打ち破り、世界の有り様を(ごく限定的な範囲であったとしても)変化させることができたなら、もしくは自分のPCを変化させることができたなら、それは「物語に参加することができた」と言えるでしょう。
参加費を払えばゲームに参加することができます。しかし物語に参加するには、僕はアクションを出さなければならないのです。
「バレッツ&バンディッツ〜楽園の棺」。秋口ぎぐる。富士見ファンタジア文庫。
とほうもない傑作を読んでしまった。それがこれを読みあげたときの感想だ。
おれはPBMが好きだ。とりあえず商標的には「ネットゲーム」とか「メイルゲーム」とかもっとぶっちゃげて「読者参加型ゲーム」とか呼ばれているやつ。「主人公」が無数にいてそれぞれが勝手に動く。たいていは脇役で、見せ場とかも全然ない連中。そういう連中がなにか事件に巻き込まれて右往左往するのが、いわゆるPBMだ。ビバ、脇役!
べつにおれは脇役が好きというわけじゃない。『ラブひな』も好きだし普通の感動的なギャルゲーを遊んで涙することもある。本当だ。
だがPBMにはそういった作品とはまた違う魅力がある。脇役。物語を進める義務を負わない有象無象。でももしかしたら大活躍。イラスト化。総集編の用語集に載る。でも自分以外の誰も気に留めてくれない。はっきり言って自己満足のインドア系──これがいい。
……などと、ぎぐるモドキ口調をもじってみましたが、この作品を読んだとき、「これが僕のPBMだ!」と思ったわけですよ。
登場人物それぞれにそれぞれの思惑があって、それぞれの目的のために動くのだけれど、それぞれの行動が干渉しあって、物事はすんなりとは進まない。登場人物達は時に協力し、時に戦い、時に欺き、時に信じる。
これだ、と。
この小説を読んで思うことは色々とあるんですけど、それを他の誰かに伝える方法を僕は一つしか思いつきません。
とまあそんなこんなで、今年の更新は終了です。来年はデモンスリンガー2ですよー。やるぜ、絆行動300クレジット!