恵那山前宮登山道情報
H15-5-6の記録
済みませんが集中登山が迫っているため、時間が取れません.写真ばかりの報告です。
登山道の現況紹介のための調査登山は今回が最後になると思う。前宮登山道の残雪の状況が気になったし、
アカヤシオ、シロヤシオの情報もお知らせしなければと思い、見に行ってきた。
前宮登山道の登山口に道標と登山ボックスを仮設置しました。
この大ヒノキの幹に生えているアカヤシオは今が満開です。集中登山のときにも見られると思います。
何時見ても見事です。
シロヤシオは見つかりませんでした。
神坂峠ルートとの分岐点迷いやすいところですが、道標はしっかりと露出していました。
日当たりの良い頂上避難小屋の前の雪も少なくなりました。
三角点付近の残雪はほとんどなくなりました。

役小角の石像はいつも穏やかな顔をしています。
残雪は急速に少なくなっています。それだけに、朝付けた踏み跡が帰りにはわからなくなっていることもあります。
テープは付けてありますが、ルートファインディングには十分気をつけてください。
H15-4-17,18の記録
ラジオは今年一番の暑さだと報じていた。2日続きの快晴が約束されたこの日、1年ぶりに前宮登山道
から恵那山へ登ることにした。五時過ぎに家を出て恵那神社の脇を抜けて登山口まで車を入れた。
登山口の辺りは河川の改修工事も終わり整備されたが、駐車スペースが少ないので一般には恵那神社
の駐車場を利用し、1.2km(標高差100m)の林道を歩くほうが無難である。
正ケ根谷の橋は丸太を3本束ねた丸木橋で、橋の両端は整備されていないので注意しないと危険である。
とくに夜間ヘッドライトを頼りに歩くときは注意を要する。登山道へのとりつきは、テープの指示に従っ
ていけば問題ない。
この川も暴れ川である。下山時に集中豪雨にでもなれば、この川を渡ることは全く不可能である。
十分に先を読んだ行動をして欲しい。
かつては桑畑だったという杉木立の中を行き、崩壊地を2ヶ所通過すると30分ほどで対東沢に出る。
対東沢には神明霊神の石碑が右岸に横たわっている。ここが最後の水場になるので必要なら補給して
おくこと。対東沢を渡り、短いはしごを登り、トラバース気味に北上すると尾根にでる。その尾根から
方向を右に変えて、トラバース気味に崩壊地を高巻きしながら5合目から伸びる尾根に出ると、間もなく
5合目である。暖かい南面左手に石柱があるので明瞭である。
金山谷へ切れ落ちている崩壊地の上を行くと急な斜面に出る。道は明確ではないが、登りは踏み跡を失
うことはない。ただ、下りは方角と目印のテープを見失わないように気をつけよう。
この辺りの金山谷サイドの落葉樹林帯には背の高いシロヤシオ躑躅があると思われるので、時には顔を
上げて、見て欲しい。
5合目から1kmほど、標高差で330mばかり登ると、枯れてはいるが桧の大
木がある。白骨化した大木は、それだけでも見事であるが、この大木に生えている、これも大木といっ
ていいアカヤシオの花が満開になると実に見事である。その花期が、丁度集中登山の頃になる。枯れた
大木にぶつかったら顔を上げて是非この花を見て欲しい。
中の小屋跡/不動明王まではこの大木から280mほどである。昔はここから右手の方に、つまり小菅谷
の源流辺りに水場があったようであるが、もちろん今は道もない。
中の小屋跡を過ぎて少し行くと、笹が道に被さって薮こぎになる。昨年秋に笹を刈りに入ったが、雪
の来るのが早く、刈残したところである。踏み跡を失うほどではないが、急坂での薮こぎは辛い。傾斜が
緩くなると空峠である。ここは八右衛門の頭と呼ばれることもある。
北東の方向に少し行って、残雪の縁の日溜りでラーメンと作って食べた。今日はビバークしても惨めな
思いをしなくても済みそうな暖かさである。時間は十分にあった。南東の方向には三階山、その奥に端正な
大川入山のピラミッドが見える。更に右の奥には茶臼山が遠くに見え、手前の尾根は焼山へと続いている。
物見松の岩場は南面から登るので残雪は問題なく、岩もしっかりしているので注意して登れば安全である。
行者越の岩場も露出していて通行には支障は無い。
役小角(エンノオヅヌ)尊者の石像は、昨年の集中登山の折、樋口帯刀氏によって発見され、掘り出されたものである。
石像に一礼して岩場を過ぎると浅い鞍部になる。ここに、この由緒ある登山道の再興を誇る様に、草刈機の
丸い切り歯が枯れ木にかけられている。
ここからは空八丁と呼ばれ、距離400m、標高差100mの急坂にかかる。森林地帯で雪も多くなったのでここで
スノーシューをつける。ここを過ぎると私がプラトーと呼ぶ小さな高原状の大地に出る。次の登りは町見坂
と呼ばれる坂で、尾根の北寄りを通っているので、中津川の街を一望に収めることができる。もっともこの時期は
残雪で地面が1.5mほど高くなっているので展望は更によい。
この坂を越えると、もう急坂はない。この辺りから尾根は広くなり、それだけルートファインディングが難しく
なるが、コンパスで方向を確認し、更に目印のテープで確認しながら進めば問題無い。一ノ宮の祠は完全
に雪の下で確認できなかった。
分岐点と呼んでいる神坂峠からのルートとの交点で、頂上の方から来る若者に出会う。ウオーキングシューズに
ナップザック、ズボンは綿でぐっしょりと濡れていた。もう午後3時をまわっている。
ウエストンは”最後の1500フィートは2時間の難行となった”といっているが、ツボ足では無理も無い。
私は1時間ばかりで、16時5分に避難小屋に着いた。小屋の北側はまだ完全に雪の中で、入り口のある南面は軒下を
僅かに残してまだ雪に埋まっていた。入り口は穴が掘られていたが、それでも30分もかけて掘り出さなければ
ならなかった
翌朝、快晴の暖かい朝、ゆっくりと食事をとり身支度をして外に出たのは六時半であった。
”山頂にはほぼ同じような三つの峰があり、稜線は起伏しながら南北に延びている”とかいているが。真中の峰はどちらかといえば南峰の肩
といった方がふさわしい。この真中の峰、つまり南峰の肩からの”眺めのすばらしさは、とても言葉で表すことが出来ない”
まさに、ウエストンと感動を共有することができる。雪で地面は2メートル近く隆起しているから当然かも知れないが、
これが恵那山の素顔である。
南峰にある恵那神社奥社は雪の中であるが、雪の重みで棟のところのトタンがずれてし
まっていた。
南峰から北峰へ戻り、白山方面の展望を楽しむ。白山、御岳、乗鞍、北アルプスが鮮やかな白さを競い合っていた。