アクション耳コピー。
時雨沢恵一。「アリソン2」。電撃文庫。
《事前情報》
ロクシェ連邦とスー・ベー・イルは長年の間争っていた敵国同士だったが、先頃とある大きな事件があり、急速に親交を深めている。アリソン、ヴィルとベネディクトはその「とある事件」を通じて知り合った友人同士である。
このたび、ロクシェ連邦内に属するイクス王国においてロクシェ軍とスー・ベー・イル軍の共同演習が行われることになり、そこで三人は再会する。自由時間に遊びに出た先で、アリソン達は、フィオナと出会い、イクス王国の首都へ連れていくよう頼まれる。急ぐので、スー・ベー・イル軍の飛行機を拝借しようとベネディクトが提案する。そこでアリソンは「私は“お客様席”に座るのはあまり好みじゃないわ」と、飛行機を二機調達するよう要求する。しかしベネディクトは渋る。
「正直に言って、それは難しいな……。いくら俺でも、部外者の君に乗せるから二機目を用意しろとは言えない。一機でも、相当反対されるだろうからな」《アクション》
「ただし──」《リアクション》
「ん?」
「二機のどちらかに乗るから、両方を準備させてエンジンを暖めさせることまでは、できるかもしれないな」
「へえ……、それで?」
「それで、一機に俺とフィオナさんが乗って飛び立ったら、エンジン不調の振りですぐに遠くに着陸するかもしれないな。心配した連中が駆けつけて、その間にもう一機の周りに誰もいなくなったりすると、行動が素早い人間に盗まれる危険性があるな。困ったことに」
「それはそれは……、困るわね」
「困るな。でも、全てが終わってから俺が説明すれば、減給と降格程度ですむだろう」
「まあ。ところで私は、機動性のいい機体、──そう、少佐殿が振り回していた二人乗りの戦闘機とか乗ってみたいわ。いつかそんな機会が来ないかしら」
「来るといいね。──今日はいい天気だ」
「いい天気ねえ」
今回のテーマは、「奪取アクション」です。ここでは飛行機を奪取していますが、PBMにおいては色々なものを奪取する機会があるかと思います。時には人を奪取したりもするかも知れません。そんなときに使えるヒントを探してみます。
アリソンは一兵卒であり、ヴィルにいたっては一介の学生に過ぎません。しかしベネディクトは、「とある事件」の後で、若くして少佐に昇格しています。僕はあまり軍事モノには詳しくありませんが、とにかく少佐というのはかなり偉い称号らしいです。ここでは、その偉い称号を利用しています。とはいえ少佐だからといってなんでも自由にできるわけではなく、「これから首都に大急ぎで行きたいので、飛行機を二機用意してくれ」という要望まではさすがに通りません。そのためベネディクトは「遊覧飛行をするので、飛行機を用意してくれ」と嘘の理由をでっち上げて、整備士達に飛行機を用意させてしまいます。
ポイントは幾つかありますが、軍属、というところが注目です。
軍隊──役所とかでも構いませんが──には、「自分の物ではない資産」がたくさんあります。決められた職務のためなら容易に使うことができますが、私的な理由では基本的に不許可です。「遊覧飛行」も十分私的な理由ですが、少佐という称号があれば、その程度の職権濫用は許容されるようです。
ちなみに、PBMにおける称号は一般的にキャラクター設定やリアクションの描写などで得ることができます。今回のテーマに沿って考えれば、「自分の持っている称号はどこまで濫用できるのか」ということを把握しておくのが重要になります。
濫用できる限界まで濫用し、更に一歩踏み出して越権行為に至ることで、およそ不可能であった奪取アクションを可能にしてしまおう、という寸法です。
しかし越権行為には、それなりのリスクが伴います。ここでは「減給と降格」というしっぺ返しが予想されています。とはいえ、実はベネディクトは少佐という身分は自分には分不相応だと考えているので、降格というのはむしろ望むところだったりもします。
余談ですが、どさくさ紛れに機体の注文を付けているあたりは、アリソンのキャラクターを物語っているともいえます。こういうキャラの出し方はわりと好きです。
余談ついでに、フィオナは、自分のためにあれこれ手を尽くそうとしてくれるベネディクト達に、心配そうな表情をします。
「あの……。本当にいいの? なにか迷惑や問題になっていない?」ベネディクト達の行為は、一種の自己犠牲です。フィオナにしてみれば、見ず知らずの自分に対してそこまでさせる根拠がないことが不安の種だったのでしょう。そう言ったフィオナに対して、ベネディクトは「気にしないでいい」とか「好きでやってることだから」とかいう風に厚意の押しつけをせず、フィオナの不安はもっともであり、しかしそれ以上にフィオナの想いが強いのだ、ということをまっすぐに受け入れています。「相手の意志の強さ」を「自分の動機」にしてしまう、というのは、今まではあまり考えたことのなかった手法です。
ベネディクトは笑顔で答える。
「なっていますよ。私は後で、勝手な行動をしたといって相当怒られるでしょう」
「…………」
二の句の継げないフィオナに、ベネディクトはゆっくりと語りかける。
「でもね、フィオナさん。あなたは私の迷惑と、あなたの今どうしてもやりたい行動、この場合はこれから首都に行くこと。どちらかを選ぶとしたら、どちらを選びますか?」
「……首都に連れていって」
DS2のブランチ別要約、とりあえず紙媒体で持っているものだけ完了しました。電子化リアとネットワールドについてはまた後日……。
全体を流して見てみて、少しずつこのゲームがわかってきたような気がします。一キャラでいくつものストーリーに参加できるというのがとても新鮮で、また、それがどういう風に活用されているのかというのが見て取れて面白かったです。
シナリオ的にも、ヨーコ様の存在が少しずつ見えてきました。
あと、ヨーコ様とは直接関係ありませんが、Iブランチ(パレット)で、遺跡探検隊について「発掘したアーティファクトは、個人携行可能なものなら無期貸し出しする」とのお触れがあるのですが、逆説的に考えれば、カバルが求めている物は個人携行が不可能な物である、と言えそうですね。なんとなく思ったので覚え書きらしく付記しておきます。
委員長! 私はですね、ここの所を明確にしておきたいと思います。
「あそびば」というのはですね、遊技場としての「遊び場」と
教育テレビの番組名である「しゃべり場」を引っ掛けた洒落、つまりパロディーなのであります。
と同時にですね、メイルゲームおよびライトノベルに関するファンサイトでもあるわけであります。
決して、決してですね、メイルゲームにおける「活躍できるアクション」について、
これを保証するものではございません。
同様にですね、それらを無責任に夢想・設計するためのものでもないのですよ。
全ては、健全なスタディーとエンタテインメントの精神によって行われているものと記憶しております。
また、「PBM覚え書き」はですね、以上の事を理解した人間によって
執筆、公開、閲覧、解釈されているものでありまして、それ以外の指摘はいかがなものか。
洒落を洒落として受け止めない考え方は、一切適切ではないと考えております。
そのような指摘をする、このサイトの真の意図を見抜けない者は、
この「あそびば」の中には存在いたしません。
そしてですね、参加している人間全てはですね、自分の利権だとか、
そういったことのために「メイルゲーム」をやってきたことは、ないのであります。
これだけは、明確にしておきたい。こう思っております。
それにですね、そんな人達がですよ、「PBM不要論」を唱えたり、
ましてや「あなたが主人公」を「あなただけが主人公」などと言い換える事は決してないのであります。
そのような意見は即刻、撤回して頂きたい!
以上です。委員長!
保証はしない──というかできないけれど、それでも僕なりに研究しているわけですよ。学会で爪弾きにされているトンデモ学者の気分で。
さて、愉快痛快DS2のお時間です。
いやー、いかんですなー。滑るというよりは自分の策に溺れまくりです。お恥ずかしい。
次は頑張りまーす。
ということで次なんですけど。先程投函してきました。アクション期間は短かったのですが、その分濃密な時間を過ごせたような気がします。
ヨーコ様/カゲヤの他にクリオン、アルテアへのストーリー行動、さらに幽霊精霊船レヴィアタン号への絆行動。ちょっと奮発してしまいました。
ヨーコ様シナリオのストーリー行動が一番成功しなさそうなのがなんだかなぁ。まあいいや。
別紙にあったショートストーリーに、次のような記述が。
「しかし……闇姫ヨーコは何を考えているのか。奴がエスペランサにいた頃は、こんな悪行はしたことなかったのに」カバルの会議らしいんですが、とりあえずこれでヨーコ様が元々エスペランサの住人であったことがほぼ確定ですね。
もうちっと自分のスタイルというものを持たなあかんなー、という気分です。
原点回帰。自分が楽しいと思うことをしよう。