凡ての裁判記録(傍聴した範囲内の記憶)を公開するに当たって一言。被害に遭われたら、泣き寝入りせずに。裁判に持ち込んでください。被害者の皆さんが、自分で出来る、範囲より半歩踏み出せば。被害者の権利が、加害者の権利因り、上に成ると思います。

刑事判決
   実況見分調書/発生状況

発生状況 擦過痕 実況見分調書
隊長 副隊長 分駐隊長 小隊長 分隊長
平成16年2月8日
新潟県警察本部交通部
高速道路交通警察隊長
司法警察員
警視 殿
新潟県警察本部交通部
高速道路交通警察隊
司法警察員
警部補
交通事故の発生状況について
 平成15年12月13日午後5時5分ころ、新潟県中頚城郡柿崎町竹鼻地内 北陸自動車道上り線377,4キロポスト付近道路において発生した、被疑者(加害者)にかかる業務上過失傷害並びに道路交通法違反被疑事件につき、平成15年12月15日、新潟県警察本部刑事部科学捜査研究所技術吏員 ○○○○の補助を得て、交通事故現場及び交通事故当事車両等を見分分析し、○○技術吏員から意見を求めた他、交通事故現場及び被疑車両から採取した資料の鑑定結果から、下記のとおり交通事故発生状況が判明したので報告します。
1 交通事故の概要
 本件交通事故は、車両3台が関与したもので、交通事故当事者等の供述内容や交通事故現場及び交通事故当事車両等の見分から2 件の交通事故であることが判明した。
2 本件交通事故の発生状況
(1) 第1事故 (別添 「第1事故図」 参照)
  ア 発生状況
(ア)  午後5時ころ、被害者(甲)運転車両が、走行車線走行中の被害者(乙)運転車両を追い越し車線から追い越し直後、積雪路でスリップし(ア)(X)・(イ)(X)地点で万蔵川橋左側壁に衝突、(ウ)地点に停止した。
(イ)  被害者(乙)運転車両は、万蔵川橋の左側壁(A)(X)・(B)(X)地点に衝突後、さらに右側壁(C)(X)・(D)(X)地点に衝突、(E)地点に停止した。
  イ 見分等からの分析結果
(ア)  (ア)・(イ)地点の万蔵川橋側壁に印象されている銀色様と灰色樹脂様の擦過痕については、被害者(甲)運転車両の塗色が銀色、バンパーが灰色樹脂製であることから被害者(甲)運転車両の衝突痕と認められる。
(イ)  (A)・(B)地点の万蔵川橋左側壁に印象されている円形のゴム様の擦過痕及び直線的なゴム様の擦過痕について、いずれも筋状の複数本のゴム様の痕跡が認められ、被害者(乙)運転車両の装着しているタイヤのサイドウォールに同様の筋状の模様があることから被害者(乙)運転車両の衝突痕と認められる。
(ウ)  (C)・(D)地点の万蔵川橋右側壁に印象されている擦過痕についても、被害者(乙)運転車両の右後部のスペアタイヤステー取付け部の擦過痕の高さとほぼ合致することから、被害者(乙)運転車両の衝突痕と認められる。
(2) 第2事故( 別添「第2事故図」参照)
  ア 発生状況
(ア)  午後5時5分ころ、被疑者 (加害者)運転車両)が、柿崎トンネル内の追い越し車線を時速約110キロメートルで進行、 トンネルを出た@地点の積雪路でスリップしスピン状態となり、A(X)地点で万蔵川橋左側壁に衝突した。
(イ)  さらに加害者運転車両は、第1事故で?地点に停止中の被害者(甲)運転車両にB(X)地点で衝突した。
(ウ)  被害者(甲運転車両は、衝突の反動で(イ)(X)・(ウ)(X)地点の万蔵川左側壁に衝突するとともに(ウ)(X)地点C地点の加害者運転車両の運転席ドアに衝突し、(エ)地点に停止した。
(工)  その後、加害者運転車両はD(X)地点で、道路左端を上越方面から長岡方面に向け(a)地点を歩行中の被害者(乙)と衝突、被害者(乙)は(b)地点に転倒、加害者運転車両はE地点に停止した。
(オ)  また、被害者(甲)は(あ)地点から(い)地点に転落転倒した。
  イ 見分等からの分析結果
(ア)  A地点及びD地点の万蔵川橋左側壁に印象された白色様と黒色様の擦過痕については、加害者運転車両の塗色と同じ白色、アンダーカバーが黒色であることから加害者運転車両の擦過痕と認められる。
(イ)  (イ)地点及び(ウ)地点の万蔵川橋左側壁に印象された灰色様及び銀色様の擦過痕については、被害者(甲)運転車両の車体及びバンパーの塗色から被害者(甲)運転車両のものと認められる。
(ウ)  被害者(甲)運転車両の左後部ドアに円形の痕跡が横に2個並ぶ状態で印象されており、加害者運転車両の右後部の尾灯の形状にほぼ一致する他、加害者運転車両の後部バンパーのナンバープレート付近にタイヤの擦過したような痕跡があり、被害者(甲)運転車両の左後部ドア部に加害者運転車両の右後部が衝突したことが認められる。
(工)  加害者運転車両の運転席ドアに擦過痕が印象され、その擦過痕に緑色の付着物がある。
 この付着物については、被害者(甲)運転車両の左前部破損部に緑色リ― ド線が露出していることから、被害者(甲)運転車両が側壁に衝突し左前部を破損、緑色リード線が露出した状態となり、この状態で加害者運転車両の運転席ドアに衝突し緑色リード線が付着したものと認められる。
(オ)  D地点付近の万蔵川橋左側壁に印象された白色様と黒色様の擦過痕の中に、皮膚様のもの及び繊維くず様のものの付着が認められ、繊維くず様のものについて鑑定した結果、事故当時、被害者(乙)が着用していたズボンの繊維とほぼ一致することが判明した。
 このことから加害者運転車両がD地点において、(a)地点にいた被害者(乙)と衝突し、被害者(乙)は加害者運転車両の右後部と左側壁に挟まれたことが認められる。
(力)  被害者(甲)の転倒していた(い)地点が万蔵川橋橋梁のほぼ真下であり、車両等にはね飛ばされたものでなく、転倒地点上付近の(あ)地点の橋梁上から転落したものと思われる。
(キ)  加害者運転車両及び被害者(甲)が事故当時着用していた着衣を確認するも、お互いが衝突したと思われる痕跡は認められなかった。
(ク)  被害者(甲)が転落前にいたと思われる(あ)地点は、加害者運転車両の移動経路からやや離れていることから接触がなかった可能性が認められる。
 加害者運転車両が被害者(甲)運転車両に衝突したときの速度を時速約50キロメートルと推定すると、衝突後、被害者(甲)がいたと思われる(あ)地点まで移動する時間は、2 〜 3 秒と推定される。
 この間に被害者(甲)は、加害者運転車両と被害者(甲)運転車両が近づいて来るのを見て、あわてて側壁に寄りかかり転落した可能性が認められる。
3 本件事故の検討
(1)  第1事故については、被害者(甲)運転車両と被害者(乙)運転車両が関係する事故で、両名及び被害者(乙)運転車両の助手席に同乗していた同乗者から事情聴取した結果、怪我がなかったことから物損事故として捜査したものである。
(2)  第2事故については、加害者が積雪路で車両をスピンさせ、道路上にいた被害者(乙)に衝突、被害者(甲)を橋梁下に転落させ、被害者(乙)及び被害者(甲)がそれぞれ重傷を負ったものである。
なお、
   被害者(乙)にあっては、平成15年12月27日付で
左下腿切断・挫滅、右足関節開放骨折 12月13日受傷、今後約3ヶ月の加療を要する見込み。
   被害者(甲)にあっては、平成16年 2月 2日付で
 骨盤骨折、四肢不全麻痺、脳出血、肺挫傷等 平成15年12月13日交通事故にて受傷、受傷後約12週間の治療を要する見込み。
との診断書の提出を受けたものである。

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