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PBM覚え書き

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5月6日(木)

 ヴェルディに馬場ゴールで逆転勝ちして以来勝利から遠ざかっていたFC東京ですが、29日のナビスコカップ鹿島アントラーズ戦で逆転勝利、5月2日の横浜マリノス戦は落としたものの5日のヴィッセル神戸でも逆転勝利と、なんとなく上り調子のような気がしてウキウキしている今日この頃です。先制できないことや完封できないことが少しもどかしい気もしますが、試合をひっくり返すのも東京の魅力(初めて見た東京の試合は、確かヴェルディとのダービーマッチで、しかも現味スタであるところの東京スタジアムこけら落としで、当時は特に思い入れがあるわけではなかったのだけれど、ロスタイムに追いつき、延長Vゴールで逆転、という試合だった気がする。このドラマチックな展開にいたく感動したのは、その後本格的にFC東京にのめり込む遠因になっているんじゃないかと)なので、まあそれはそれで、結果的に勝ってくれれば(勝てなくても「いい試合」を見せてくれれば)、サポーター冥利につきるといったところです。次節は9日柏戦@国立競技場です。国立でFC東京の試合を見るのはこれが初めてですな。なんかいろいろ強行日程になりそうですが、馬場くんの活躍を期待しながらのこのこ出かけてきます。
 そして2日はホームゲーム前フットサルでした。この日も基本的にはGKやってたんですけど、少しだけフィールドもやって、初ゴールも決めてきました。小学生の打ったシュートのこぼれダマを大人げなく押し込んできました。それも一試合に二点。ゴールネットを揺らされるのは切ないですが、揺らすのは気持ちいいですね。次のホームゲーム前フットサルは16日の広島戦ということで、万難排して参戦予定です。

 で、4日はコミティアでした。このところ回るサークルさんが固定化していたのですが、そして別にそう意識していたわけでもないのですが、久しぶりに間口を広くして少し多めに買ってきました。
 この前ちょっとだけ見て気になっていたサークルさんを発見して、「鉄塔追悼企画」なるCD−ROMを衝動買いです。仕事柄、鉄塔とは浅からぬ縁があるもので、2002年10月の鉄塔倒壊事件は僕にとっても衝撃的な出来事でした。本当に人的被害がなかったのが不幸中の幸いというか。地形的に人家の少なくなるような場所だからこそあのような突風が吹いたということもありますが、それにしたって農家などが点在しているわけで。アーティスティックな鉄塔倒壊写真を見ながら、そんなことを思い出していました。
 そして例によって創作意欲をかき立てられてみたり。まあ今はケア&メンテナンスの時期ということで。



5月26日(水)

 FC東京はこう、なんていうか勝ったり負けたり引き分けたり、ピリッとしない割には上位に名を連ねてたりして、色々と微妙な感じなのですが、そういったあれやこれやに一喜一憂したり、来月には初アウェー観戦を予定してみたり、今週末にはまたフットサルの大会があったりと、適当にサッカーっぽい日々を過ごしています。

 さて、久しぶりに耳コピーをやってみたくなる作品にお目にかかれましたので、随分とやり方も忘れがちですがやってみます。原典が漫画なので、句読点は適当に入れています。あと思いっきりラストシーンなのでネタバレ注意という奴です。


 「塊根の花」、八房龍之助、電撃コミックス。

《事前情報》
 オードリーに仕えるカールは、とある仕事を通じて知り合ったジュヌヴィエーヴ・コトフォードという女性が、幼い頃に生き別れた義妹のルーシーに似ていることに驚く。そのジュヌヴィエーヴは、ジャックという得体の知れない男の片腕として、危険で、怪しげな仕事に手を染めている。しかも訊ねてもカールのことは知らないという。
 その後、5年前に「南仏モンペリエのコトフォード家から戸籍を買った記録」を見つけ、ジュヌヴィエーヴがルーシーであると確信する。

《アクション&リアクション》
 ジャックがオードリーの元へ「交渉」へ訪れた際に、カールはジュヌヴィエーヴを説得することにした。

「ルーシー……どうして?」
「バレちゃいましたか」
「僕のことは忘れていた? なんであんな昔のことは覚えていないなんて……」
「憶えてましたよ、勿論。でもね、今更いいじゃないですか。昔の事なんて」
「どうでも良くなんて無い!! 捜したんだ、君を! ルーシー! あの時、君と再会した時、うれしかったんだ、僕は」
「でも2人とも上手く生きてるじゃないですか。それでいいでしょう?」
「偽名を使って、あんないかがわしい事の片棒をかつがされて、いい事なものか! どうしてあんな男の言いなりになってるんだ!?」
「それは……秘密ですから」
「何か脅されているんじゃないだろうね」
「いや、だから秘密なんですって」
「そんな事隠し立てして何になるんだ」
「誰にも知られちゃいけない事なんですよ」
「僕達は家族だったろう!?」
「そう……ですか?」
(中略:ここでジュヌヴィエーヴの過去が語られる)
「そんな……馬鹿な」
「どうして?」
「嘘だ、そんな事」
「どうして?」
「ある筈が無い! あり得無い!」
「どうして?」
「だからあの男の言いなりになっているっていうのか?」
「それだけでもないけれど」
「だからって、何もあんな男の言いなりになる事は無いだろう」
「どうして?」
「だってそんなの悲しすぎるじゃないか!」
「……あなた、きっと言うわ」
(2人同時に)『君の思うように生きればいいじゃないか』
「私は好きな様に生きてるわ。私のしたい事を命令されて、ちょっと文句も言ってみせて。悲しいのは誰? 私じゃないわ。貴男よ。私を手に入れられなかった、貴男でしょう?」
(中略)
「私は、今幸せなの」


 ……とまあそんなこんなでカールくんは大変なことになっちまうわけですけど。漫画とじゃだいぶニュアンスも違ってくるので、興味を持たれましたらぜひぜひ。とらのあなとかメロンブックスとかなら結構置いてあるはずです。
 耳コピーというには失敗してますから、どっちかというと番外編かしら。とまれ、「立場も考え方も背負っているものも違う相手への接し方」の反面教師というか。
 「君の思うように生きればいいじゃないか」というのは、結局の所「僕の思うように生きて欲しい」と言いたいだけであって、本当は「君の思い」なんてわかっちゃいないしわかる気もないわけです。自分の願望を、さも相手の願望であるかのように振る舞うことがよろしくないわけです。
 立場も考え方も背負っているものも違う相手──に限らず、全ての他者──を理解するのは、本当に難しいです。それを解った振りをして勝手に代弁しようとすること自体、相手を馬鹿にしているとしか思えません。
 説得というアクションを僕が好まない理由は、どうもこの辺にあるような気がします。ギブアンドテイクと言いつつ、結局どれもが自分に利のあることばかりで、「本当に」相手の気を引く条件を挙げてなかったりとか。
 誤解すること自体は別に構わないです。むしろ誤解があった方が──ツッコミどころがあった方が、リアクションのしようがあるというものです。勿論リアクションも、重箱の隅をつつくようなツッコミではなくて、その先に広がっていくような、次なるボケを生み出せるようなツッコミであって欲しいわけですけれども。
 そしてまた理解というのは、言葉だけで表せるものではないわけです。勿論言葉というのも一つの手段ですけれど、それ以外の、つまり行動によって表現される部分が多くを占めているのではないかと。

 それはそうと、作者の八房さんは、蓬莱学園とかTRPGとか、そちらの畑の方なのかしら?


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文責:並丼